2017年のニュージーランド相場についての考察
2017年のニュージーランド相場についての考察
今回は、2017年のニュージーランド相場について言及したいと思います。
昨年の11月18日、ドナルド・トランプ氏が米国大統領選挙で勝利を収めました。
この結果は、世界を驚かせ、相場に大きな影響を与えました。
この影響は、ニュージーランドにも波及しています。
米国民の多くがこの選挙結果を肯定的に捉えていないようです。
米国内では、各地でデモが起き、海外へ移住まで考えている人もいるみたいです。
ニュージーランドの入国管理局も選挙の結果が出てから、米国からのアクセスでいっぱいになったそうです。
ニュージーランドの入国管理局の1日の平均アクセスが選挙前であれば2000件前後であるのに対して、選挙直後は20倍以上に急増したそうです。
米国からニュージーランドへの移民の問い合わせが普段の2倍にまで膨れ上がりました。
もし、これからトランプ氏の政治が本格的に始まると、得をするのはいったい誰なんでしょうか?
結論から言うと、「運送」、「エネルギー関連」、「防衛」は確実に得をします。
トランプ氏は、石炭産業を復活していくを明言していますので、エネルギー産業は潤うのは間違いないです。
また、トランプ氏は運送業の規制についても現状より緩和していく方針です。
では、損をするのは誰なんでしょうか?
もし、トランプ氏が発言通り貿易について見直しを行うなら、貿易で利益を出すのが難しくなってきます。
アメリカにとって最良な条件以外は受け入れないというスタンスですからね。
「アメリカファースト」の姿勢を貫いてくるのは間違いないでしょう。
ニュージーランドは、海外との貿易に大きく依存している国です。
ですから、アメリカの貿易方針が中国や欧州にどのような影響をもたらすのかが重要になってきます。
トランプ氏は、演説で「TPPへの反対」を訴えています。
さらに中国の為替操作国認定などについても発言しています。
トランプ氏は、「中国から輸入されるものについては45%の関税をかける」と主張しているのです。
容赦ない対応ですよね。
こんな感じに制裁しちゃってます(笑)
では、ニュージーランドはその制裁の標的になっているのでしょうか?
結論から言うと、標的にはなっていません。
ですが、貿易は世界的な成長率と関連してますので、ニュージーランドの貿易相手国が儲かっているかどうかが重要になってきます。
国が成長するには貿易の継続が不可欠なのです。
ですが、リーマンショック以降、保護主義の傾向が強くなって、世界的な成長率は低迷しています。
そういった背景から、ニュージーランドにとって、アメリカがTPPに合意するかどうかは、非常に重要な要素なのです。
TPPの合意が、保護貿易からの転換を促し、アメリカ、カナダ、日本などの国々との貿易についての機会が得られるのです。
TPPは、アメリカが太平洋地域に貿易や投資で主導権を握る手段にもなるのです。
今は、中国の勢力が強いですが、もし中国が後から参加してくることになると、既存のTPPのルールに中国が従うことになるので、結局はアメリカにとってプラスになります。
ですが、実際のところ、ニュージーランド側は、TPPの進展に期待していないのが実情です。
しかし、アメリカが自由貿易から方針を変えても、ニュージーランドには機会が残されています。
ニュージーランドは、乳業が盛んな国です。
もし、アメリカが保護貿易に転じて、ニュージーランドの乳製品に高い関税をかければ、アメリカは乳製品において孤立状態に陥る危険性があるのです。
こういった側面からニュージーランドにチャンスが回ってくる可能性があるのではないかと思われます。