失敗例から学ぶ不動産投資 ~物件を見ずに購入した場合~
失敗例から学ぶ不動産投資 ~物件を見ずに購入した場合~
今回は、不動産投資の失敗例から学んでいきましょう。
失敗例「2年前に不動産投資についての本を読んで、不動産投資について興味を持った。さっそくいつくかセミナーに参加して、複数の業者から物件情報をもらうようになった。しばらくして、オーバーローンで融資可能な名古屋の築浅RC造マンションを紹介されて購入したが、その時業者から、(すでに何人かの希望者がいるので、購入希望があるならすぐ買付証明書を出してください)と言われ、物件を見ることなく決めた。それまで、購入に迷っていて、購入に至らなかったことが何度かあったので、焦っていたのも理由の1つ。買い付けから融資の審査も無事に終わり、念願のマンションオーナーになれたが、購入後に見に行ってみると、築5年にしては薄汚れていて、エントランスはゴミだらけ。駐車場も雑草が伸びていて、粗大ごみが放置されています。2つある空室の内1つは、カビでボロボロでした。実物を見ないで購入する人が多いと聞いていたが、物件がここまでひどいとは思わなかった。」
今回の失敗ケースは、「実物を見ずに購入した」パターンです。
この失敗談の最大の原因は、
「買いたい病にかかってしまった」という点ですね。
これは、典型的な買いたい病の失敗例です。
業者から、「購入したいなら、すぐに買い付けをしてください。早い者勝ちですから!」と煽られて、焦って購入して失敗してしまったのです。
決断を早くするのは、重要なことですし、行動力があるのは素晴らしいことです。
ですが、不動産投資の場合、実物は必ず見ておくことが重要なのです。
このようにスピードを重視しすぎることは、結果的に大きなリスクに直面します。
1億円以上の買い物をするときには、即答を求める必要はないのです。
金額が大きいので、慎重に検討して購入すべきなのです。
たしかに迅速な判断は重要です。しかし、「買いたい病」に感染してしまって、いろいろなことが冷静に考えられなくなってきているのであれば、一度購入の事を考えるのはストップすべきです。
不動産投資における失敗の怖いところは、数百万、数千万の損失になることが珍しくないというところです。
もし、資金を補てんして、リカバリーすることができても、想定していなかった損失に対して、保有を続けることに不安を抱えてしまう方も多いです。
また、収入が赤字になったときも、月々の給料から補てんすることになりますが、その支払いも何十年と続くとなれば、精神的に持ちこたえられる人は非常に少ないと思われます。
持ちこたえられないので売却すると、損切りで売ることができればいいのですが、状況によってはそれもできないこともあるのです。
売ることもできず、また物件で稼ぐこともできない状態もあり得るのです。
これらの失敗に陥る大きな原因は、物件を見ずに、「まあ大丈夫なんじゃないの」と買ってしまうことから起きてしまうのです。
不動産業者からすれば、重要事項を説明すれば、法律上は義務が果たせます。
「しっかりとした修繕計画を添えたうえで販売しなくてはいけない」という決まりがありませんから、買う側の責任になるのです。
繰り返しになりますが、しっかりとしたお金の管理が必要になるのです。
共有部分の草むしりや清掃、リフォームにかかるコストも計算に入れておくべきです。
これらの金額を前もって見積もったうえで、しっかりキャッシュフローができる物件を選ぶようにしましょう。
そこで必要になるのが、
「物件は必ず、自分の目で確認する」ということです。
物件の状態を知るには、現地で調査することが必要です。
最近は、現地へ足も運ばず、買う人が多いですが、それだけリスクが高いものをつかまされる可能性も高くなるのです。
物件を見ない人の理由としては、
1、見てもわからないから
2、見ていたら間に合わないかもしれないから
という投資家の方が多いです。
例を挙げると、六本木ヒルズの一部屋を売りに出て「2億円で利回り5%出ます!」と言われれば、立地も建物への心配も楽観的に考えられるので、もしかしたら見に行かずに購入するかもしれません。
そういった区分マンションのオーナーチェンジの物件の場合では、部屋の中に入れませんから、外観だけで見て帰ってくることになるのです。
それに投資家は建物に対して素人の人が多いですから、配管がどのようになっているかなど見てもわからないのです。
それよりは、管理組合にある書類を確認して、これまで大規模修繕がどれくらいされているのか、また修繕積み立てがどれくらい貯まっているのかを確認するのがいいかと思います。
しかし、アパート・マンションなど、1棟物件は必ず自分の目で見るようにしましょう。
少なくとも物件の状態に関しては、現地へ行けば分かるのです。
専門的な知識がなくても、共有部にゴミがあふれていないか、スラム化していないか、自転車が放置されていないか、それくらいは確認できます。
では、いざ現地に行ってみたら駐車場があれていて、雑草が生い茂っていたとしましょう。
ベランダを見ると、入居者が置いた放置ごみが多く、ポストの中を見ると、督促状が詰まっている人もいるわけです。
このような人が住んでいたら、しっかりと裏を取ってチェックする作業を怠らないことです。
特に1棟物件は、どのように管理されていたのかで、建物の状態が変わるものです。
築十年くらいにもかかわらず、傷んでいる物件もありますし、逆に築50年でもよく手入れがされていて、きれいな状態の物件もあるのです。
つまり、築年数だけにとらわれず、実際に自分の目で見た状態を参考にするのがポイントなのです。
ですので、物件を購入するときは、必ず自分の目で見て購入するようにしましょう!!
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