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「トランプユーフォリア」と「円安」はいつまで続くのか?

「トランプユーフォリア」と「円安」はいつまで続くのか?

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今回は、今話題のトランプユーフォリアについて言及したいと思います。

 

次期大統領の100日計画とは?

「トランプユーフォリア」の熱は、冷めそうにないですよね。

11月21日にはダウをはじめS&P500、ナスダックが8月15日以来となる同時最高値の更新を果たしました。

 

同月22日にもトレンドは続き、小型株指数ラッセル2000に至っては、1996年以来で最長の続伸記録を達成しました。

 

最高値更新は、他でもないトランプ次期大統領のおかげです。

 

11月21日の米株引け後の、Twitterで米大統領就任100日計画を発表しました。

 

Twitterにおいても、「アメリカファースト」を掲げています。

100日計画に真っ先に登場したものこそ、環太平洋パートナーシップ協定の離脱、つまりTPPの離脱なのです。

 

日米をはじめ12か国が加盟するTPPは、世界の国内総生産の40%を占めるものの、トランプ氏は「二国間で公平な貿易協定」を重視すると主張しました。

 

11月17日にトランプ氏の自宅で安倍首相と会談したときは、笑顔を見せていましたが、選挙通り破棄する見通しのようです。

 

ただ、TPPという看板を変えて、二国間で条項を調整するというシナリオもあり得るかと思われます。

 

米国内のエネルギー産業支援を狙い、「シェールガスやクリーンコールを含む米国のエネルギー産業から、雇用を奪う規制を廃止する」とも発言しました。

 

ただ、トランプ氏自身は、「風力や太陽光など、あらゆる代替可能エネルギーを支援する」立場でしたので、再生可能エネルギーへの補助金全面カットなどの強硬策に乗り切るかどうかは微妙なところです。

 

規制緩和にも、着手する予定です。

トランプ氏は、「新しいもの、古いものに至るまで規制を排除する」と発言しました。

トランプの発言を引き金に、ドット・フランク法案を廃止を唱える下院金融サービスの委員長は、「ボルカールール」撤回を含め、本格的に動き出す予定です。

 

その他、不法移民の流入阻止ならびにテロ地域からの移民受け入れ中止、サイバー攻撃への対策を加えました。

 

ちなみに、100日計画の発表前、トランプ次期大統領は支持者に前代未聞の「100日計画アンケート」を行いました。

 

内容を見て、自身の意見が反映されたと手をたたいたアメリカ人も少なくなかったのかもしれないですね。

 

米ドルと円のロング解消もありえるかも!?

先程の項では100日計画について言及しましたが、ピンときた方は「トランプ通」です。

トランプ氏が選挙中に掲げていたものは、

1、インフラ投資

2、税制改革

3、医療保険制度の改革

でした。

これらが、前の項で触れた「100日計画」に盛り込まれていませんでした。

1番と2番は、共和党の財政中立派と交渉が必要なので、簡単には実現できそうもありません。

 

ですので、トランプ氏の冷静な判断力が働いたのかと予測できます。

 

3番も、約1300万人が加入するだけに新しい制度へ取り換えることは、至難の業で100日計画から外したと考えられます。

 

注目すべきは、1番と2番です。

「トランプ・ユーフォリア」の根幹こそ、成長期待です。

インフラ投資と減税措置によって雇用が増え、個人消費の拡大を促し、企業も採用や設備投資を増やすなどの楽観的な観測が、米株高・米ドル高を支えてきました。

 

金融市場が「はしごを外された」と思えば、相場の流れが逆転するリスクに留意したいところです。

 

インフラ支出の財源と期待されたブッシュ前大統領政権の政策である本国投資法の復活も難しくなり、米ドル高の観測も後退させなくてはいけなくなったのです。

 

市場環境が引き締め寄りへシフトしていることも、看過できません。

米ドル指数は、2003年以来の高値を更新し、米10年債利回りも2015年7月以来の水準へ上振れし、企業の業績や資金調達への悪影響が懸念されています。

 

とにかく気をつけなくてはいけないのが、2014年から続く年始のリスクオフ相場です。2015年12月の利上げ開始後、米株が弱気相場入りしました。

2015年のスタートは、中国株が暴落しました。

 

2014年の年始は、テーパリンク開始に伴う過剰流動性相場の終わりへの不安もあって、トルコリラやアルゼンチンペソが暴落するなどの異変が起きました。

 

足元で米ドル高・金利上昇が同時進行しただけに、エマージング市場発の調整が発生する可能性もあります。

 

リスクオフ相場を迎えれば、対豪ドルや南アフリカランドなど資源国通貨を中心とした米ドル高が注目されます。

 

一方で、円やスイスフランなどでは、米ドル安になってもおかしくないのです。

さらに、年末は「黒田ショートのポジション手仕舞いと利益確定によるヘッジファンドの巻き戻し」で「米ドル/円」上昇説が有力だった一方で、ここまでポジションが傾けば、年明けの「米ドル/円」のロング解消も期待できます。

 

まとめると、「トランプ・ユーフォリア」戦略は、年末までと考えて妥当だと思います。

 

http://cocozas.jp/cl/noda_1.b.html