投資用語解説 ~金融政策~
投資用語解説 ~金融政策~
今回は、「金融政策」について言及したいと思います。
マクロ的な金融政策の代表的な考え方は、三つ存在します。
1つ目は、総需要を適切に管理するように貨幣供給を操作するのが望ましいとする、「ケインズ的な立場」です。
この立場からは、総需要を増やすための裁量的な金融政策が有効とされています。
例えば、不況期に大量の買いオペを行うなどの金融政策です。
反対に、貨幣供給を一定水準で成長させるためのルールを定める政策こそ望ましいと考えるのが、「マネタリスト」の立場です。
彼らの多くは、裁量的な金融政策が短期的に総需要管理に効果があることは認めますが、長期的に見ると一定のルールで金融政策を維持する方が大きなメリットを得られると考えています。
また、裁量的な金融政策を全否定し、裁量的な金融政策を短期的にすら効果がないばかりか、むしろ攪乱的な悪影響を及ぼすという立場の人もいます。
こういった立場の人を「新マネタリスト」と呼びます。
では、人々は将来的に物価を予想できるのでしょうか?
こうした立場の対立は、「貨幣の中立性」に対する考え方の違いから来ています。
貨幣供給が増加した時、それに合わせて物価水準もすぐ調整されれば、消費、投資、GDPなどの実質的なマクロ経済変数に何の効果もないでしょう。
これが、「貨幣の中立命題」です。
しかし、人々は将来の物価がどのように変化するか、はたしてどれくらい完全に予想できるでしょうか?
ケインズ的な立場は、将来の物価予想=期待インフレ率の形成があまり合理的に行われないと考えます。
マネタリストは、人々が利用可能な情報を駆使して、最大限合理的に期待インフレ率を割り出すと考えます。
まとめると、
ケインズ的な立場は
1、金融政策は適切に管理されれば、総需要を管理して景気を安定化させる。
3、その関係の中で最も望ましい点を選択する
と考えます。
マネタリストの立場は、
1、長期的な貨幣は中立
2、拡張的な金融政策は、短期的に有効であっても、長期的にはインフレ率の上昇のみをもたらす。
と考えます。
あと、新マネタリストは、
1、予想外のショックがあった時のみ、短期的に金融政策は効果がある。
2、裁量的な金融政策の効果は、短期的にもない。
と考えています。
以上が金融政策の3つの考え方でした。
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