資産構築 「FX編」 ~南アフリカランド~
資産構築 「FX編」 ~南アフリカランド~
今回は、南アフリカの通貨、「南アフリカランド」について言及したいと思います。
まずは、南アフリカの歴史から見ていきましょう。
本来は、狩猟民族が住んでいましたが、15世紀にはディアスが南アフリカの最南端、喜望峰に到達して、1652年にオランダの植民地になります。
18世紀の後半になると金やダイヤモンドなどの鉱脈を狙って、イギリス人がやってくるようになりました。
19世紀になると、オランダからイギリスへ宗主国が変わって、以降はイギリスの植民地になります。
現在でも、南アフリカは英語が使われてますよね。
1910年に独立しましたが、その後は白人労働者の保護のための人種差別法が制定されてから、1990年代にアパルトヘイトが廃止されるまで黒人差別が横行していました。
現在は、アパルトヘイトが廃止され、法の下では黒人と白人は平等になりましたが、まだ人種差別は根強く残っています。
ただ、マンデラ黒人政権成立後は比較的政情が安定し、経済も発展をみせ、今やブラジル、ロシア、インド、中国と並んで急成長が期待できる新興国として評価されています。
特に、近年の南アフリカの注目度は上昇の一途をたどり、その背景には一次産業の成長が起因しています。
南アフリカは、世界一の金の産出国であり、プラチナ、クロム、バナジウムの産出量も世界一です。
また、ダイヤモンドも世界的に有名で、同国総輸出額の約25%を金をはじめとする貴金属類で占めています。
最近では、ワインの産出国としても有名ですよね。
他にも、BMWやメルセデスベンツなどの生産地にもなっていて、日本からもトヨタや日産が進出しています。
こういった背景から、南アフリカは成長が期待されているので、投資家達からの注目の的になっています。
日本においては、南アフリカランド建て債券や外貨預金が人気を集めています。
また、高金利通貨なので、FXでは主にスワップ狙いの投資家が多いです。
1998年以降は、南アフリカの政策金利は、最高で20%を越えており、一番低い時でも7%を維持しているので、相当の高金利通貨だと言えます。
南アフリカランド相場は、2001年末には1ランド=11円でしたが、現在は1ランド=18円まで上昇しています。
以上の事から、スワップ狙いにはもってこいの南アフリカランドですが、懸念事項もあります。
それは、政情が不安定なのと失業率の高さ、テロや紛争などの問題です。
他の記事でも書きましたが「通貨の価値=国の価値」なので、やはり新興国の場合、こういった事情から相場が安定しないのは仕方がないことです。
ですから、南アフリカランドは、「ハイリスク&ハイリターン」の通貨だということは認識しておく必要があります。
よって、「レバレッジは2、3倍ぐらいにとどめておく」のが無難だと思います。